Music: Mr. Moonlight
歴史倶楽部 夜桜花見の会
2000.4.11(火)・ 2001.4.4(水) 大阪南本町中大井公園にて
桜が、こんにち日本中で愛でられるようになったのは一体何時の頃であろうか?
万葉集には天平宝字3年(西暦759年)までの歌が集められているが、一番多く歌われている花は「萩」である。その次は梅の花なのだ。
奈良時代には、桜はまだ人気のある花ではなかったことがわかる。ところが平安時代に成立した古今和歌集(延喜5年(905)前後)に
なると、いきなり桜の登場回数が激増する。この150年を隔てた両時代の間に、どんな変化が起きて桜は「愛花NO.1」の地位を築
いたのであろうか。
それは花見が始まった事に関係すると思われる。記録に残る日本最古の花見は、弘仁3年(812)4月3日、嵯峨天皇が宮中で行った花
見である。当時は、今のような桜の苑や桜並木が林立していたわけではなく山桜を観賞していたはずなのだが、この時代は、有史以来
一番暖かかったとされる時代である。温和な環境で人々が野や山に繰り出す機会も増え、花見の習慣が人々の間に根付いていったと思
われる。150年の間に変わった気候環境が、桜の花の隆盛をもたらした可能性が高いのである。
といっても、花見が広く一般大衆の間に根付いていったのは、やはり政情が安定した江戸時代である。江戸中期には、広く低位の階層
にも花見の習慣は浸透し、人々はこぞって花見に出かけた事が諸文献に見える。
2000.4.11(火)
月がとっても青いから〜、遠まわりしてか〜えろ〜。
昔こういう歌があったよなぁ。こんな「花」と「月」を見ると全く気持ちがわかるねぇ。

大阪での桜見物名所のNO1は何と言っても大阪城である。昼間は言うに及ばず、夜も沢山の人で賑わう。
東京で言えば、さしずめ上野の山か靖国神社かと言った所だろう。しかしこれらの名所はややもすれば、
「宴会場」としての花見の場と化してしまい、その内「花」など見もせず、果てはカラオケに興ずるような
醜態をさらす事になる。つまりは、それは人が多すぎるのである。
せっかく「今年は花を愛でるぞ」と思って来ても、廻りの喧噪と俗化した話題に興ずるうちに自身を見失う。
ほんとに花見をするなら、少人数の気心のしれた仲間で、人の少ない穴場を見つけて、俳句の一つもひねり出すような
気持ちで行くべきである。
今回我々「歴史倶楽部」の花見は、まさしく花を愛で、酒をたしなみ、いにしへの歌人を偲ぶ、理想的な花見となった。
大都会の街中でも、探せばいい場所があるのだ。


少し肌寒い夜ではあったが、花びらを浮かべた日本酒の盃を重ねる内に、話題は日本国家の成立、
秀吉の聚楽第での花見、はては特攻精神と桜の関係と、なかなか歴史倶楽部らしい展開となった。



さほど見物客も多くない公園では、どこのグループもおとなしい。ビル街の谷間という事もあるが、いずれも「花を愛でる人達」と見た。

適度に酔って思考能力が低下したら、潔くその場を去るべきだろう。俗化するにはそれなりの場がちゃんとあるのだ。



流れていった飲み屋のお客さんのサッちゃん(上)と常連たち(下)

桜の花は昔から、潔く散るので太く短く生きる日本人の心情にピッタリだとして、精神的にも武士道や特攻精神の心の支えとして、
或いははかない恋になく乙女の心情になぞらえて、「花の命は短くて・・」などと形容されてきた。確かに満開の桜が風に舞う光景
は、何度見ても美しいし、寂(さび)しいし、侘び(わび)しくそして悲しい。咲いてすぐ散ってしまうなんて、なんと短いヴィ
(生)なのであろうと、その一生を哀れむ人もいるだろう。
だがしかし、
実は、開花したばかりの桜の花は、相当な嵐が来ても耐えられるしぶとさを持っているのである。もし貴方が、翌日一斉に咲いた桜
の花を見つけたら、木を揺さぶるなり、扇風機を最大にして強風を浴びせるなど、何とかして花を散らす試みをしてほしい。花びら
はビクともしないはずである。そう簡単には落ちたりしない。しぶとく枝にしがみついている。散りだすのは約1週間の寿命を全う
した桜の花で、こうなるとそよ風ほどの微風でも、はらりと枝からこぼれ落ちてしまうのである。
2001.4.4(水)
今年も同じく中大井公園にて。今年は去年より1週間早い。去年の写真を見ると西本さんはまだコートを着ている。
今年はコートを脱いでもう3週間くらいになると言うのに。そうとう暖かいんだ今年は。

今年は河内さんと京子ちゃんも参加してにぎやかに。でも穴場のはずだったのに、今年は結構人が集まっていた。
しかし、会社の連中数十人で来る花見客にはカナわんね。

フラッシュを焚いたときと焚かない時。どちらも真ん中に小さく月が映っている。

「寒かったらこれ着たら」とビニールででかいブラを作って京子ちゃんに渡す西本さん。「ルンペンみたい」と京子ちゃん。
後ろの自転車は服部さんの愛用車。駅から会社用。

下左が我々の陣取った桜の下。暗くてフラッシュ無しのデジカメの限界やね。

花見の翌日、4月5日の朝日新聞に花見の記事が載っていた。

(C)Copyright Asahi Shinbunsha Co.,LTD
2002.4.?
今年(2002)の桜の開花は異常に早い。3月中旬だというのに、東京の一部の桜は既に満開である。例年より1ケ月も早く、
気象観測史上最も早い開花だという。今日では一般的に、桜の開花予想は花見のスケジュールを立てる為に発表されていると
思いがちだが、勿論そんな宴会準備のために予報があるわけではない。動植物を気候変化の指標として観察し、季節の変化が
日本列島内をどう進んでいくかを判断する為に気象庁が発表しているのである。桜の中でもソメイヨシノは、季節を勘違いし
て花開く、いわゆる「狂い咲き」というのが殆どないので、この季節変化の指標としては非常にありがたい存在なのである。
開花するという事は、もう春がそこまで来たという事にはなるのだが、暖かければ花が咲くという訳ではない。今年のように、
九州や四国より早く東京が開花する年もあるが、たいていは暖冬の年なのだ。気温の低いはずの東京で先に咲いている。桜は、
その記憶として十分に「寒かった」という記憶を持ってないと開花しないので、そういう意味では微妙な温度の変化を感じ取
る、実に賢い花とも言えるのである。
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